ロンさん自身も大腸がんと闘っており、腹部が膨満して硬くなり、消化不良などの症状もあるが、タイさんよりも自分のほうがまだ元気だからと毎日お金を稼ぎに出かけている。ロンさんは鉄工をしたり、バイクタクシーの運転手をしたり、荷物を運んだりし、誰かに呼ばれればどんな仕事でも受けている。
(C) thanhnien |
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ロンさんは語る。「以前、私が忙しそうにしているのを見て、彼は自分も1日4時間、警備員の仕事をすると申し出てくれました。でも残念ながら彼は事故で今度は腕を折ってしまい、代わりに私が働きに出ています」。
1日の稼ぎがなかった日は、ロンさんが無料の炊き出しをしているところを探しに行き、タイさんの分をもらって帰ってくる。無料の炊き出しもなければ、顔見知りの食堂で食事を買い、ツケにしてもらう。そしてお金が入ればすぐに支払いに行く。ロンさんは、タイさんの食事を見繕い、自分はお腹をすかせたままのこともある。
2人の持ち物は主に人からもらったものばかりで、バイクもとても古い。タイさんは入院中、誰から渡されたのかわからない20万VND(約970円)を手に握りしめていたこともある。誰に聞いてもお金の出所はわからなかったが、その時にロンさんが病院を訪れると、タイさんは20万VNDをロンさんに渡した。