ハノイ市バービー郡ドンタイ村(xa Dong Thai, huyen Ba Vi)在住のチャン・バン・クエットさん(60歳)は、23歳で軍に入隊し、カンボジアの戦場に派遣された。1981年に片腕を失い、また腹部に重傷を負ったため、戦場を離れた。
(C) vnexpress |
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片腕を失ったクエットさんだが、3年前に自分で新しい家を建てた。以来、妻と子供たちはクエットさんに重労働をさせなかったが、長時間座っているとかつて戦場で負った腹部の傷が鈍く痛むからと、痛みを忘れるために再び働くようになった。クエットさんは働き者で、数百m2の広さの土地も片腕に持った鍬を使ってわずか30分で耕してしまう。
「私が傷病兵になったことを知った妻の兄弟たちは、妻に私と別れるよう懇願しました。でも、妻は私を心から愛してくれていたので、私の人生は本当に幸運でした。だから私は、妻へのお返しにどんな困難なことでもするんです」と、クエットさんは笑いながら穏やかに話した。
傷病兵としてカンボジアから帰国した日、クエットさんの持ち物はその時に身につけていた衣服1セットだけだった。夜寝るときにはパンツだけを履き、色あせた長ズボンと軍用シャツは翌日着るために洗う。新しい衣服を買うお金がなかったため、3年もの間、クエットさんはその格好で過ごした。
クエットさんは、妻であるフン・ティ・ドゥックさん(60歳)に手伝ってもらいながら、失った利き手と反対の左手で文字を書く練習をしたこともある。クエットさんの文字書きは2年経ってもなかなか上達しなかったが、鋤や鍬はたった数日で持つことができるようになったのだという。
若かりし頃の2人はおんぼろの小屋に住んでおり、隣には大きな池があった。 長男が生まれ、2人は 池を埋めてそこに家を建てることに決めた。クエットさんは毎晩片腕で荷車を引き、砂を求めてあらゆる場所に出かけて行った。歩きながら歌を歌ったり、大声で「大きい車が通りますよ」と叫んだりして、道を空けてもらった。池の深さは2mあり、毎日少しずつ、3年かけて埋めていった。