この数十年間、ホーチミン市に住むカオ・ティ・トゥイさん(女性・76歳)は、精神病を患う息子を育てるため、そして病気の夫に薬を買うため、路上に座り、古いテレビを解体して取り外した部品を売っている。
(C) vnexpress |
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トゥイさんの「職場」は、ホーチミン市10区にあるビンビエン通りとリートゥオンキエット通りの角だ。メコンデルタ地方ティエンザン省出身のトゥイさんは、ここで20年間にわたり故障したテレビの部品を解体し、分類して売ることで生計を立てている。
以前、トゥイさん夫婦は故郷のティエンザン省からホーチミン市へ出てきて、日用品やご飯を売ったり、電器店を開業したりしたが、大きな損失を出してしまった。そんな時、ある人が「古いテレビを売買してみてはどうか」とアドバイスをくれたことがトゥイさんの運命を変えることとなった。
トゥイさんはこう語る。「最初は機械のこともさっぱり分からず、子供たちから部品のチェックと解体のやり方を教わりました。今では自分で部品も解体できますし、マザーボードの機能も理解できます。いつの年代のものなのか、どこ製のものなのかなどもきちんと区別できます」。
当時、ニャットタオ通りとビンビエン通りでは、多くの人が古いテレビを売買していたが、今日までこの仕事を続けている人はベテランのトゥイさんを含む数人だけだ。トゥイさんは毎日 10時から夕方まで路上に座り、テレビを買い取り、部品を解体している。
毎日、多くの人が故障したテレビを売りに来る。ほとんどが古いタイプのテレビだ。一番高いもので1台15万VND(約750円)で買い取る。トゥイさんが1日に買い取り、部品を解体するテレビの数は平均して約15~20台に上る。