技能実習制度で日本に行くと、低賃金の労働力として使われ、満足できなくても職を替えることが許されない。技能実習生として3年間日本で働き2020年に帰国したファン・ベト・アインさんが、技能実習の実態を描いた手記を発表した。
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技能実習生は、名目上では日本で学んだ技術を祖国で生かすことが求められている。しかし実際に学ぶのは、ショベルカーの運転や商品検査、版築などの単純作業で、健康であればできる仕事だ。
日本で学んだ仕事はベトナムで役立たないことが多く、帰国後の職探しに苦労する。また、派遣業者に毎月約100万VND(約5490円)の管理費を徴収され、3年間は転職することができない。
アインさんによると、大半の労働者は日本に行くために数億VND(1億VND=約54万9000円)を借金している。日本では最低賃金が適用され労働条件も悪いことから、少しでも賃金が高い職を外部に求める失踪を引き起こす原因になっている。
労働傷病兵社会省傘下の海外労働管理局(DOLAB)も、日本での技能実習の実態は単純労働だと承知しているが、日本側は1992年以降、この政策を維持し続けているという。日本はベトナムからの度重なる要請を受けて、2018年末に特定技能制度を導入し、一部の職種で以前より待遇を改善している。