北中部ゲアン省出身のSさんは、刑務所で服役中の2003年に血液検査を受け、HIV陽性と診断された。2013年に服役を終えて地元に帰り、保健所の管理の元で生活していたが、病気らしい病気をしないことから血液の再検査をしたところ、HIVに感染していないことが分かった。
Sさんはこれを知った後、HIV陽性という誤った診断結果によって出所後に社会から受けた差別的対応に対する精神的・物質的損失を補償するよう関連当局に訴えた。
ゲアン省保健局のグエン・スアン・ホン副局長は「公安当局と検査を実施した予防保健センターの問題だが、12年も前の話で誰に責任があるのかを言うのは難しい。当時は検査装置や専門レベルが低く、検査結果の誤りは避けられなかった。今後の教訓にしたい」と話した。
ゲアン省保健局は1日、Sさんや関連機関と協議し、HIV感染者名簿からSさんの名前を削除し、Sさんの地元の人民委員会に事の顛末を通知することで合意した。ただし、精神的・物質的損失の補償については、責任の所在が不明なため、うやむやな形で終わりそうだ。