- 首相、ロンタイン国際空港工事現場を視察
- 「カットライトンネル」の立案を原則承認
- カットライ橋建設案件に置き換わる
ファム・ミン・チン首相は3日、東南部地方ドンナイ省ロンタイン郡(huyen Long Thanh)で建設中のロンタイン国際空港と同空港に接続する交通インフラの工事現場を視察し、地盤処理・地下工事に強みを持つフェコン[FCN](Fecon Corporation)が提案したドンナイ川横断トンネル建設案件「カットライトンネル(仮称)」の立案を原則承認した。
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カットライトンネル建設案件は、ホーチミン市直轄トゥードゥック市と東南部地方ドンナイ省ニョンチャック郡(huyen Nhon Trach)を結ぶカットライ・フェリーに代わるカットライ橋建設案件に置き換わるもの。
トンネル建設のメリットとして、◇橋の建設と比べて美観が良く、土地収用の影響を受ける住民が比較的少ないこと、◇ドンナイ川沿いのカットライ国際港に影響しないこと、などが挙げられる。
FCNとそのパートナーである中国の上海トンネル・エンジニアリング(Shanghai Tunnel Engineering=STEC)は、既にドンナイ省人民委員会と会合し、ゴーサインを得ている。FCNらは現在のところ、以下の2つを提案している。
◇第1案:並行するトンネル2本を建設し、それぞれ4車線を設置。全長2.3km。
◇第2案:並行するトンネル2本を建設し、それぞれ3車線を設置。全長1.7km。
建設費は9兆~10兆VND(約530億~590億円)の概算で、工期は2年未満の見込み。
FCNは、ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の地下区間のトンネル掘削工事で日本人専門家の指導のもとトンネル掘削機(Tunnel boring machines=TBM)を運転した実績を持つ。同社はハノイ市で建設中のメトロ3号線(ニョン~ハノイ駅区間)の地下区間のトンネル掘削工事でも、イタリアの専門家と協力してTBMを運転している。
なお、日本の政府開発援助(ODA)を利用した、ホーチミン市1区とトゥードゥック市を結ぶサイゴン川横断トンネル(トゥーティエムトンネル)は、ベトナムで唯一の河川横断トンネルとなっている。全長1.5kmで6車線を設置し、2011年に開通した。