ベトナム勤務もスタートして数ヶ月も経つと、業務に慣れてくると同時に、日本とは異なる様々な側面が見えてくるかと思います。あまり斜めに考えすぎて「どうしてこちらの意図することが通じないのか」と悶々とする日々を過ごす人も多いようです。
今回は、ベトナムで働くからこそ見えてくる ベトナム仕事あるある のお話です。 良くも悪くも「異文化体験」 。これからベトナムで働きたい人には前情報として、また既にベトナムで勤務している人は、「そうそう、あるよね~」と共感しながら読んでください。
時間に対する認識の違い
最近は日本でも、残業に対する考え方が変わりつつあります。しかし、それでもまだ 私たち日本人の根底には、「今日指示された仕事は今日中に終わらせよう」という意識 が潜在的にあります。
私たちは無意識のうちに、 時間ベースで仕事を区切るのではなく、仕事を終わらせたところが仕事の区切り 、と考えているのです。
しかし、ベトナムで働くと、ベトナム人は少し違うのかなと思う場面に度々遭遇します。
彼らは、日本人的な時間感覚と真逆で、時間ベースで仕事を区切って業務にあたります。つまり、 「定時までに終わらせられる仕事=今日片付ける仕事」 という考え方です。
そのため、よくあるのが、日本人上司がベトナム人スタッフに、業務依頼を出す。こちらは今日中に終わらせてほしいと思っていた仕事なのに、終わらせずに帰宅してしまった・・・。
なんていうのはまさに、ベトナム仕事あるあるの代表格です。彼らは家族と過ごす時間を日本人以上に大切にしています。 基本的に仕事は早く終わらせて帰宅する 、というのが彼らの考え方なのです。
その時に必要なのが、 仕事の「緊急性」・「重要度」・「期限設定」を明確に伝えること です。これはベトナムでの勤務だけでなく、仮に日本でベトナム人と働く場合にも同様のことが言えます。円滑な業務遂行のために留意したいところですね。
お金で解決するケースの多さ
これは主にベトナムの役所(公的機関)との話になります。ベトナムで働くと必ず目にするでしょう。
日系企業がベトナムの公的機関と何かの続きでやりとりをします。「あれ、全然期限通りに手続きが進まない。」「照会しても担当者によって言うことがバラバラ・・・。」なんてことがよくあります。
でもどこかのタイミングで、お金を渡せば・・・。不思議とスムーズに話が進んだという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
他には、タクシーに乗っている時に、交通ルールに違反したドライバーが、何やら警察にごそごぞ渡している・・・。あっという間に解決。
そんな アンダーテーブルの世界が日常的にあるのがベトナム です。
仕事中に友達チェック
ベトナム人は兎に角フェイスブックが大好きですね。パソコンの画面を真剣に見ているなあ、と思ったら、フェイスブックで友達の近況をチェックしていたなんてこともよくある風景です。
仕事内容によっては、仕事でフェイスブックを使っているのか、本当に遊んでいるのか区別がつかず、注意するに注意できない、という人も多いのではないでしょうか。
その区別をつけ、注意をすべき行動なのか判断するために必要なことが、 「ベトナム人スタッフとどのくらい距離を縮められているか」 です。どのスタッフが普段どういう業務に取り組んでいて、最近の様子はどうなのかなど。いかにスタッフと接点を持ち、 相手の状況を知ろうとしているか否かで、判断は大きく変わってきます 。
「最近ベトナム人スタッフとのコミュニケーションが足りていないな」、「ベトナム人社員との間に壁を感じるな」という人は、テト前という季節柄を活かして、社内での飲みニケーションの機会を設けるのもいいかもしれませんね。ざっくばらんな会話ができる環境を作ってみるのも大事です。
今回はベトナムで実際に勤務してのあるある情報をお伝えしました。ベトナム人スタッフと働くと、日本ではなかなか遭遇できない場面や考え方に出会うことができます。これからベトナムで働こう、と考えている人はぜひ参考にして、異文化に飛び込んでみてください。
ベトナム就職に向けて、準備から入社後の一連の流れに関して、ここまでお伝えしました。就職活動をしている人たちへ、少しでもお役立ち情報としてお届けできていれば幸いです。
|_2. <執筆協力>|
||*JellyfishHR Co.,Ltd*
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ 」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、SNSを活用した無料求人サイト「Billion」の運営、また日本語教育サービスを提供している。
ホームページURL → http://jellyfishhr.jp/
ベトジョーライフでコラム連載中 → 「Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~」