熱帯モンスーン気候帯に属し、雨季(8月~11月)と乾季(12月~7月)のほか、四季を有する。冬は冷え込み、夏になると干ばつが発生する厳しい気候。台風の到来も多く、洪水がよく発生するベトナムで最も過酷な気候の地域として知られる。
地理 |
・北はタインホア省、南はハティン省、北西はラオスのフアパン県、西はシエンクワーン県、南西はボーリカムサイ県に接している、東は北部湾(トンキン湾)に接する全長82キロの沿岸になっている。 ・省都ビン市はハノイ市から南に291キロ、ホーチミン市から北に1428キロ、ラオスのビエンチャン市から東に400キロに位置する。 |
歴史 |
・東部は古くからベトナムの王朝に属していたが、西部は元々シエンクワーン王国(現在のラオス北東部シエンクワーン県、カムムアン県、フアパン県、ベトナム北中部ゲアン省、ハティン省に当たる地域を治めた王国で、ベトナム語では「ボンマン=Bồn Man王国」と呼ばれる)に属していた。 ・激しい気候のためか貧しいながら忍耐強く上昇志向の強い人が多い。王朝時代には多くの科挙合格者を輩出し、フランス植民地時代には抗仏運動に身を投ずる民族主義者を大勢輩出している。また同省、はフランス植民地時代から独立運動を指導し勝利に導き、その後北ベトナムと南ベトナムの統一を目指しベトナム戦争までの革命を指導した革命家で、初代ベトナム民主共和国主席、ベトナム共産党中央委員会主席、「ベトナム民族の父」と呼ばれ、今なお国民の尊敬を集め続けるホー・チ・ミン(1890年5月19日~1969年9月2日)の出生地でもある。 ・1930年にソヴィエト・ゲティン(Xô Viết Nghệ Tĩnh)の蜂起が起こった地で、革命運動の発祥地として知られている。 |
経済 |
・食品・飲料生産、採鉱、建設資材・石彫刻、手工芸品の生産が盛んで、省都のビン市は外港として、またラオス国境付近は国境貿易の要所として栄えている。 ・陸路でベトナムを縦断する場合、ゲアン省を必ず通らねばならない。同省は近年、経済開発が進んでおり、ビン市は北中部の経済・文化の中心として位置付けられている。 ・乳牛飼育に適した自然環境を有することから、THミルクやビナミルクの国内系乳業大手2社が近年、同省で自営酪農場の建設や、生産工場への投資を積極的に展開している。THミルクが同省ギアダン(Nghĩa Đàn)郡で展開している牛乳加工工場(2013年7月竣工)は、南アジア最大規模の牛乳加工工場。2013年末現在、同省の乳牛は約3万頭で、ホーチミン市に次いで2位となっている。この殆どがVNMとTHミルクの酪農場で飼育されている。 |
観光 |
<見所・イベント>
ホーチミン像とホーチミン広場:
ビン市にある国内最大規模の広場で面積が11ヘクタールもある。高さ18メートルのホーチミン像があるこの広場は同省のシンボルの一つとなっている。
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キムリエン村(Làng Kim Liên):
故ホー国家主席の故郷。ビン市から約15キロ離れたナムダン(Nam Đàn)郡にある。主席が 1901年から1906年まで住んでいた父親の家や母親の墓などがある。
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プーマット国立公園(Vườn quốc gia Pù Mát):
ビン市から南西に120キロ。アインソン(Anh Sơn)郡、コンクオン(Con Cuông)郡、トゥオンズオン(Tương Dương)郡に跨っている。絶滅危惧種のサオラをはじめとする珍しい動植物が生息している。標高1841メートルのプーマット山と高さ150メートルのケム滝(Thác Kèm)などがある。森の中を散歩し、小船で川を上り、山奥に住む少数民族の村を訪問することができる。 |
クアロー・ビーチ(Bãi biển Cửa Lò):
ビン市から18キロ。なだらかな地形を持ち、白い砂浜が美しい全長10キロのビーチ。夏には、地元住民だけでなく、多くの観光客で賑わう。
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<特産品>
ウナギのおかゆ:
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ニュット(ジャックフルーツの漬け物=Nhút):
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ゲアン省関連ニュース |
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ベトナムの省・中央政府直轄市一覧 |
最終更新日:2022年2月18日
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