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医療保険に加入しよう~日本で入る海外旅行保険~

2015/01/22 JST配信 (2025/01/10 JST最終更新)

海外で生活する上で最も大きな心配ごとのひとつと言えば、急な病気や怪我ではないでしょうか。日本では健康保険に加入しているため自己負担が少なくて済みますが、ベトナムで外国人がよく利用する病院の治療を受けると高額な料金を請求されます。ベトナムで治療ができず飛行機をチャーターして周辺国や日本へ搬送し、莫大な費用がかかるなんてことも。そんなときの備え「転ばぬ先の財布」となってくれる海外旅行保険を紹介します。

 

海外旅行保険とは

海外に渡航する際に日本で加入する保険といえば「海外旅行保険」です。これには、怪我や病気の治療費用、死亡した場合の補償、賠償責任の補償だけでなく、プランによって救援者費用や携行品損害、航空機遅延などに対しても補償があります。主な補償内容は以下の通りです。

・障害死亡:渡航中の事故による怪我が原因で事故日から一定期間内に亡くなった場合の補償

・障害後遺障害:事故による怪我が原因で一定期間内に身体に後遺症が生じた場合の補償

・傷害治療費用:怪我をした場合の治療費の補償

・疾病治療費用:病気になったときの治療費の補償

・救援費用:捜索救助の費用、救援者の現地への渡航費用や宿泊費などの補償

・賠償責任:誤って他人に怪我をさせたり物品を壊した場合の賠償金の補償

・携行品損害:所持品が盗まれたり壊れたりした場合の補償

・航空機寄託手荷物遅延:航空機に預けた荷物が届かず、やむを得ず必要な身の回りの品を購入した費用の補償

・航空機遅延費用:航空機の遅延・欠航で代替便が利用できず発生した宿泊費や飲食費の補償

・緊急一時帰国費用:家族が危篤になるなど、急遽帰国する場合の渡航費用の補償

渡航前からかかっている病気の治療、歯科治療、妊娠にかかわる病気の治療、カイロプラティック・針灸による治療、スカイダイビングやハングライダー、ピッケルを使う登山など危険を伴うスポーツによる怪我など、補償されないものもありますので保険内容をよく確認しておきましょう。

また、ベトナムの場合は移動の足としてバイクを利用される方も多いと思いますが、無免許や酒気帯び運転など違反行為があった場合には補償されません。ベトナムでは50cc以上のバイクを運転する場合には運転免許が必要ですので、免許を取得するか50cc未満のバイクや電動バイクに乗るようにしましょう。尚、近々50cc未満のバイクも免許取得が必要になるという話も出ていますので、ご利用の際には事前確認をお勧めします。

 

1年の保険料はどのくらい?

保険期間を1年とした場合の海外旅行保険ですと、会社やプランにより異なりますが、大よそ20万円前後かかります。かなりの出費ではありますが、1年間で病院などの世話になる人は現地でも少なくありませんので、「安心を買う」という意味では高い買い物ではないかと思います。

 

いつ加入すればいいの?

日本の海外旅行保険は、日本を出国してからは加入できませんので、出発前に手続きをします。短期の保険であれば、出発時に空港でも入れます。90日までの渡航であればクレジットカード付帯の旅行保険を利用することも可能ですが、補償額が低い場合がありますので内容を確認しておきましょう。

旅行保険は渡航する際に自宅を出発した時点からカバーされますので、やはり空港で入るより自宅を出発する前に入ったほうが安心です。

1年の長期保険になると、審査に時間がかかったり断られて別の保険に申し込まねばならなくなる可能性もあります。また電子保険証券でない場合は書類原本が自宅に届くまで時間がかかりますので、遅くとも出発2週間前ぐらいまでには手続きをしたほうが無難です。日本の自宅を引き払って渡航してしまう場合は、家族など受け取ってくれる人がいる住所を留守宅として記載しておきます。

 

治療時の支払いはどうすればいいの?

外国人がよく利用する病院やクリニックは日本の海外旅行保険と提携しているため、加入証明書を提示すればキャッシュレスで受診できることが多いです。具合が悪くなってから提携病院を探すのは大変ですので、あらかじめ加入している保険がどの病院やクリニックと提携しているか確認しておきましょう。

また、キャッシュレスで受診できない病院での治療費についても補償を受けることができます。その場合には病院に診断書、治療費・薬代の領収書を発行してもらい、保険会社のカスタマーサービスに連絡して手続きを行います。必要な書類や書類の言語など各保険会社によって若干異なりますので、この点についても事前確認をしておいたほうがいいでしょう。

 

途中解約はできるの?

予定より帰国が早まったという場合や、就職したなどで会社が指定する別の保険に入ることになった場合など、加入中の保険が必要なくなったというケースもあると思います。途中解約は可能ですし、残った期間や利用状況によって、保険料を一部返金してくれます。途中解約したい場合は、保険会社や購入した代理店に相談してください。ただ保険の利用状況によっては返金が発生しないこともあるので、その場合は解約せずにそのまま期限まで残しておくという選択もあります。

 

更新はできるの?

滞在期間が2年の予定であれば、最初に1年分加入して、保険期間が切れる前にもう1年延長(更新)することになります。あまり保険を使っていなければ問題なく更新できますが、何度も使っていると更新を断られてしまうことがあります。

一般的に、支払った保険料の半分を使うと更新に「黄色」信号が点くと言われています。治療の際にかかった治療費を確認しておき、更新が不安な場合は保険代理店に次回の更新が大丈夫そうか確認してみるのも一つです。

 

保険料の元を取ろうとしないこと

よく、「これだけ高額な保険料を払ったのだから、元を取らないと損」とばかりに、頻繁に保険を使う人がいます。ただ加入者みんなに保険料以上の金額を使われてしまっては保険会社は商売になりませんので、そういう人の更新を断りますし、保険料の引き上げを招くことになります。特に日本人の場合は国民皆保険制度として(国民)健康保険の存在に慣れていますので、どれだけ保険を利用しても保険料は変わらないと無意識に思われている方が散見されます。

保険は手術や入院など高額の治療費がかかってしまった「もしもの時の財布」と考えて、風邪やちょっとした怪我であれば、保険利用を控えるということも一考です。外国人がよく利用する国際病院は風邪で1回受診しただけでも、薬代など含めて200USD以上かかることも普通にあります。

 

日本の海外旅行保険は誰でも加入できる訳ではない

「海外旅行保険」はあくまで「旅行」のため、つまり「住むこと自体が目的ではなく、帰国する予定がある」ことが前提となっています。そのため、日本から派遣される駐在員やその家族、就学期間が決まっている留学生などは加入することができますが、ベトナム人との結婚に伴う定住やリタイア後の余生を過ごすといった期限を定めない居住を目的に渡航する人は加入することができません 。

また、現地採用者の場合は生活拠点をベトナムに置くと見なされ、現地採用者の加入を認めない保険会社が多いようです。ただ働く期間が限られており、日本に戻ってくる予定であることを保険会社に理解してもらえれば加入できるケースもあるようです。まずは幾つかの保険会社にあたってみましょう。但し、旅行保険がメインの保険会社では、現地採用者の加入は受け付けないとの情報もあります。

ちなみに日本への帰国が前提でのベトナム渡航でも、期間が1年以上であれば現地の医療保険に加入する方が多いです。料金もプランによってはそのほうが安くなるので、ベトナム在住がある程度長期になるのであれば現地医療保険も検討してみてください。

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2025/01/15 17:00 JST更新
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