|[日] ランブータン
[越] Chôm chôm(チョムチョム)、Lôm chôm(ロムチョム)
[英] Rambutan
[学] Nephelium lappaceum L.(ムクロジ科)
[原産] 東南アジア(マレー半島)
[サイズ] 直径3~5cm|
見た目のインパクト大! 東南アジア原産果実
ランブータンは東南アジア原産の果物で、ベトナムでは安価に食べられる庶民的な果物ですが、日本で見かけることはまずありません。そのため、初めてこの果物を見る外国人の多くは、毛がたくさん生えた不思議な外見に強烈なインパクトを受けるようです。
「ランブータン」という名前はマレー語で、「毛の生えたもの」という意味。 ベトナム語では 「Chôm chôm(チョムチョム)」「Lôm chôm(ロムチョム)」 と言いますが、どちらも毛が立った状態でびっちり生えている様子を表す言葉なのだとか。イガグリのように毛を立たせた髪型のことを「đầu chôm chôm(ダウチョムチョム、đầu=頭)」と言います。
(C) VIETJO Life
収穫期は5月~8月ごろ(旧暦の4月~6月)。 ランブータンは寒さに弱い植物なので、ベトナムの南部を中心に栽培されています。味は同じムクロジ科の ライチ に似た上品な甘さとほのかな酸味が特徴ですが、ライチから香りや水分を減らして、もっとサクサクさせた感じといえばよいでしょうか。口に残らないさっぱりした甘さなので、ライチよりも好きという人もいます。汁が飛び散ったりすることもなく、食べやすいです。唯一難点なのが、中心にある種が果肉からはがれにくかったり、種の薄皮が果肉にくっついてしまうことが多いことでしょうか。
見た目が悪いほうがおいしい!?
ランブータンにはたくさんの品種があります。大きく分けると、外皮が真っ赤でおいしそうなものと、黄色っぽいさえない外見で実が小さめのもの2つに分けることができますが、 実が小さくてさえない感じのもののほうが値段が高く、おいしい です。
冒頭の画像のように 実が小ぶりで、ピンクや黄色、緑色など色にバラつきのあるランブータンは、Chôm chôm nhãn(チョムチョムニャン)と呼ばれる品種。 実がサクサクしていて甘く、香りがとても良いです。ランブータンは中心にある種と果肉がうまく離れないことが多いですが、このチョムチョムニャンは比較的種離れがよく、食べやすいです。
全体が真っ赤なランブータンは、Chôm chôm GiavaまたはChôm chôm Java(チョムチョムジャワ)と呼ばれるもので、ジャワがつくとおり、インドネシアから伝わった品種です。歯ざわりがよくおいしいですが、種の周りの薄皮が果肉に残りやすいです。薄皮は舌触りが悪く若干渋いですが、食べても問題ありません。
(C) VIETJO Life, Chôm chôm Thái(チョムチョムタイ)
全体的に真っ赤なのに毛が緑色のランブータンは、Chôm chôm Thái(チョムチョムタイ)と呼ばれている品種で、こちらも名前の通りタイから伝わったもの。サイズは4~5cmと大ぶりで、見た目が良いこともあり、人気があります。種離れは良いですが、若干薄皮が果肉に残ります。
そのほか、チョムチョムニャンのように色がばらばらな上、実が大きめのものも出回っています。これは一般的にChôm chôm dính(チョムチョムジン)と呼ばれています。dínhは「くっつく」という意味。その名のとおり、種が果肉にしっかりとくっついて離れず、食べにくいです。おいしさも当たり外れがありますが、とにかく安く、豊作の年には1kg数千ドン(数十円)で売られていたこともありました。
食べ方
基本的に生で食べます。 皮の適当なところに爪で切れ目を入れれば、手で簡単に剥いて食べることができます。 来客があるときなどにおススメの切り方は、枝についていた部分を下にして、皮の部分に横一周ぐるりと切れ目を入れ、上をパカっと取り外す方法。こうすると見た目がフラダンスしている卵みたいで、ちょっとキュートです。
(C) VIETJO Life
ランブータンは、特にビタミンCが豊富に含まれているので、 美容に良い ですし、カルシウムが含まれていますので、 骨や歯にも良い ですよ。
選び方と保管方法
余り熟しすぎているものを買うとサクサクした歯ごたえが失われ、種離れも悪くなりますので、 皮の色が明るくはっきりしていて、トゲトゲに張りがあるものを選びましょう。 シャキシャキの歯ごたえが好きで緑がかったランブータンを好む人もいます。
枝をつけたままにしておくと鮮度が落ちやすいので、 枝つきの場合はすべて落とします。 きれいに洗ってから水気をよく切り、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
|【ポイント】 ランブータンは小さくて見た目の冴えないもののほうがおいしい!|