11月20日は「教師の日(先生の日)」。ベトナム語では Ngày nhà giáo Việt Nam(ガイ ニャーザオ/ニャーヤオ ヴィエットナム) と言います。日本には教師の日はありませんが、世界では、教師に感謝する記念日として定めている国がたくさんあります。1994年にユネスコが10月5日を「世界教師デー」と定めたことから、この日を教師の日としている国も多いです。
(C) NgBK 「教育事業における『尊師重道』の伝統を積極的に維持し、発揮しよう」
「教師の日」の由来
ベトナム語版Wikipedia によると、1949年7月にフランスで発足した「世界教育者組合連合」の記念日が由来となっているようです。ベトナムは1953年に世界教育者組合連合のメンバーとなりました。世界教育者組合連合(当時57か国加盟)は1957年に翌年の11月20日を「教育者国際憲章の日」とすることを採択。これを受けて、北緯17度線で南北に分かれていたベトナムの北部でも、1958年11月20日に初めての記念式典が開催されました。
それ以降、ベトナムでは毎年この「教育者国際憲章の日」に北部を中心として教師に関連する様々な活動が行われるようになり、南ベトナム解放戦線を通じて徐々に南部にも広まり、南北統一後は「教師の日」として全国的に定着。1982年に政府は正式に、11月20日を「ベトナム教師の日」と定めました。
(C) NgBK ベトナムで学校教師は女性のイメージ
女性教師は通常アオザイを着用している
「教師の日」には何をする?
自分や子供がお世話になっている先生たちに贈り物をして、感謝の気持ちを表します。 国は学校の教師に贈り物をすることを禁止していません。 公立学校の教師は給与が低く、月給1万円程度で、単純労働者並みの最低レベルと言われています。そのため教師は一般的に、家庭教師をしたり、塾を開講したりして副収入を得て生活しているので、十分な賃金を払っていない国がこういった習慣を禁止できないのが現状と言えます。
先生の日のプレゼントは、花束や石鹸・シャンプー、化粧品などの日用品が多いのですが、学校の先生の場合、生徒たちからこういった日用品を大量にもらっても結構困りますよね。そのため、都市部ではモノよりも現金で渡すケースが圧倒的に多くなっているようです。高収入の家庭では担任の先生1人につき50万VND(約2760円)以上包んでいるとも聞きます。更に、女性の先生が圧倒的に多いため「女性の日」にも心づけを用意するのが一般的。もちろんテト前の贈り物も欠かせません。
また、学校では先生の日のイベントが開かれ、子供たちが先生たちに歌や踊りを披露したり、地域では優秀な教員への表彰などが行われます。規定により、各学校は11月20日に教師が学校内外のイベントに参加するために教師が休めるようカリキュラムを調整することになっているため、学校では11月20日の朝イベントを行った後、子供たちは下校することになります。学校は前もって休校を知らせてくれないケースが多いので、公立学校に子供を通わせている人は要注意です。