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ベトナム人に人気の日系企業~離職率0%を目指して~

以// JST配信
以前お送りした 「ベトナム人から見た日本人 ~職場でこう思われてるかも!?~」 では、社内におけるベトナム人目線での日本人についてお伝えしました。今回は、ベトナム人目線での「会社組織」について考えてみたいと思います。

ベトナム人が考える会社とは一体どんなものなのでしょう?それを知ることによって、ベトナム人スタッフを採用する時に どうすればベトナム人の応募が増えるのか、また入社後の定着率向上のためにどういった施策が有効なのか 等、何かしらのヒントになればと思います。

応募者が集まる企業とは?


求人媒体、人材紹介会社に依頼をする、またスタッフの知り合いを紹介してもらう等、人材を集める手段は色々とありますが、そもそもどういう企業に人材は集まりやすいのか。まずそこから考えてみたいと思います。

①応募条件が厳しくない企業


採用する人材がどこの国の人材であれ、即戦力となる人材がほしいのは万国共通、どこの企業も同じです。そうなると、当然過去の経験業界、経験年数などにより、応募条件をかなり限定的に設定することになります。しかし、ベトナム人の優秀層の中には、これまでの経験を生かし、新たな分野でのチャレンジ、次の新たなステップに進みたいと考えている人材も多く存在します。そのため、直接的な業務上の親和性を第一に考えつつも、 応募時の条件は比較的広めに設定をし、門戸を狭めてしまわないようにすること も重要です。実際に、当初よりも応募条件を緩和したことにより、始めは出会うことのなかった人材に出会うことができ、採用活動の幅が広がったという事例もあります。

②「入社時点の」給与の良い会社


これは日本人でもベトナム人でも同じではあるものの、良く知られているようにベトナム人は日本人以上に入社時点の給与水準をシビアに見ています。 日本人のように長期的視点で会社に属することを考えない ため、例えば「3年後、5年後にこれだけ給与がアップする、日本に長期出張に行けるようになる」といった触れ込みはあまり効果がありません。短期的な視点でモノを考えている人が多いです。

③給与だけでなく福利厚生が充実している企業


とは言え、先述の給与設定においては、在籍しているスタッフの給与額との兼ね合い、採用予算の都合上、なかなか柔軟には対応できない・・・という声が聞こえてきそうです。そんな時は、給与だけではなく、福利厚生で一工夫してみてはいかがでしょうか。例えば、入社後の特別休暇、特別賞与を用意する、あるいは試用期間中の給与支払いを100%にするなどです。



特にIT業界では、プロジェクト終了時のボーナス支給など、福利厚生のレパートリーを増やし、他社との差別化を明確に打ち出しています。要は 入社後もスタッフのことを第一に考えていることをアピールし、如何に自社が魅力的であるかを見せていく必要がある ということですね。

④市内中心部の企業・ベトナム国内での知名度が高い企業


市内中心部の「お洒落なエリア・ビル」で働きたいというベトナム人が増えています。ベトナム人はバイク通勤が基本。そのため、居住地近辺での勤務を希望するのが一般的でしたが、最近は郊外に居住している人でも、市内中心部の企業で働きたいというニーズが高まっています。特に市内中心部の有名なビル内での勤務の場合などは、市内に引越ししてでも入社したいという人も増えてきています。 理由は、近所の人や親戚、友人に自慢できる、恥ずかしくない場所で働きたい とのこと。就職先決定に家族・親類の意向が強く影響するベトナム社会らしい回答です。

また、企業の知名度もベトナム人にとって重要なポイントの1つです。ただ、気をつけたいのは、 ベトナム国内での知名度が高いかどうか です。日本では超有名どころの企業でも、ベトナム人の間ではあまり知られていないというケースも多く、彼らの中での認知度がどれほどのものなのかを、採用にあたっては知っておく必要があります。採用側が知らなければ、「日本ではこういうことをしていて、超人気企業です」というアピールが、そもそも応募者に刺さらない、響かないといった結果になってしまうこともあります。

逆に応募者が集まりにくい求人とは?


新規開拓をガンガンするような営業職はなかなか応募者が集まりません 。彼らの国民性もあるのでしょうが、仮にそういったポジションで募集する場合は、日本人が営業の見本をしっかり見せるなど研修とサポート体制を充実させ、手当たり次第に営業をかけるという印象を最小化し、「こういう計画の下で、こういう風に一緒に動いていこう」という風に見せると、彼らの心理的ハードルも下がってきます。

 

入社後の満足度が高い企業とは?


次は、入社後ベトナム人スタッフの定着を図るために、どういったことが有効なのかを見ていきましょう。

①評価制度とキャリアステップが明確な企業


ジョブホッピング的色合いの強いベトナムでは、彼らがどれだけ根付いてくれるかが、非常に重要。 「優秀な人材を採用できた」と安心したのも束の間、彼らは見切りをつけるのが想像以上に早い です。求職者の年齢が若いこともあり、彼らは成長意欲が高く、簡単な仕事やすぐルーティン化してしまうような業務には満足できず、転職を考えるようになってしまいます。また、頑張った分の正当な評価を求めるため、頑張りが評価されず、給与も変わらないとなると、転職に踏み切ってしまいます。

しかし、個人やチームの評価制度を明確に示し、実際に結果を出しているスタッフを昇進させたり、昇給を行っている企業は、高い定着率を誇っていますし、勤続10年以上の人が多くゴロゴロいたりと、人材難などどこ吹く風という企業もあります。

②日本人との接点が多い企業


日系企業への就職希望者は、「日本語を使って仕事をしたい」ということが第一にあるため、
日本人とどのくらい接点を持って働けているか、また日本語での業務の割合はどれほど与えられているかが、彼らの満足度に直結 します。



日本人マネージャーがベトナム人とのコミュニケーション(自分がどんな人かを示す、スタッフを褒めるなど)をしっかりし、何を考えているのか何を目指しているのか示している企業は、ベトナム人からも信頼され、スタッフの満足度が高いように感じます。

③会社の雰囲気がフレンドリー


ベトナムは平均年齢が若いこともあり、彼らはフレンドリーな雰囲気を好む傾向にあります。いくらその他の条件が良くとも、入社後の会社の雰囲気が違うと思えば即退職に繋がってしまいます。 日本で良しとされてきた企業文化が、ベトナムでは全く通用しないことも多くある ので注意が必要です。

以上、いかがでしたでしょうか?ベトナム人採用にあたっては、日本人採用の場合と違い、留意しなければならない点が多々ありますが、日本語を話す彼らと接していると、つい「日本式」で接してしまっているケースも。せっかく採用したベトナム人スタッフに気持ちよく働いてもらえるよう、採用時だけではなく、入社後のフォローも継続して長く付き合っていきたいものですね。

|_2. <執筆協力>|
||*JellyfishHR Co.,Ltd*
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ 」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、SNSを活用した無料求人サイト「Billion」の運営、また日本語教育サービスを提供している。
ホームページURL → http://jellyfishhr.jp/
ベトジョーライフでコラム連載中 → 「Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~」

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