ベトナムにおいては、通常2ヶ月の試用期間があり、 試用期間終了後に正式な雇用契約を締結 することになっています。試用期間中というのは雇用者、被雇用者にとって、文字通りのお試し期間となります。つまり、雇用者に「この人はうちの会社にはちょっと合わないな」と思われれば解雇されますし、被雇用者は「この会社イメージしていたのと違うな」と思えば退職できます。
そのため、「入社できたから安心」なのではなく、この 試用期間を無事終えることができるか否か が重要な訳です。ということで、今回は、入社早々のフェーズにフォーカスし、留意すべき事項について紹介します。
組織構成とメンバーの把握
自分の属する組織と、それぞれのメンバー把握に努めましょう 。これはベトナム就職に限った話ではありませんが、自分の仕事を覚えるのと同じくらい重要なことです。
会社から組織図が与えられればラッキーですが、そうでない場合は、 自身で簡単な組織図を作り、トップから自分の所属する部署、周りの部署、それぞれの責任者を押さえておきましょう 。
やはり異国の地で働くということは、自分だけで完結する仕事にも限りが出てきます。ベトナム人の力を借りなければならない場合に、誰にどういうことを頼むことができるのかを知っておくことは、結果的に自分の仕事を円滑に進めることにも繋がってきます。
自身のミッションの明確化
会社側は2ヶ月の試用期間中の働きぶりを見て、あなたを正式に雇用をするかどうかを判断します。おそらく日本だと指示されたことを行うだけで、まず問題なく試用期間を終えることができるでしょう。しかしベトナムではそうではありません。ベトナム現地就職においては、 企業側が有している考え方、つまり「日本人が果たすべき役割、責務」というものが必ず存在 します。企業側はどういうことを期待して自分を採用したのか、自分に与えられているミッションは何なのかを改めて認識し直す必要があります。ここをしっかり話し合っておき、双方に認識の相違がない状態でスタート位置に立つようにしましょう。
ベトナム人スタッフとの関わり方
最後は、ベトナム人スタッフとの関わり方についてです。試用期間を無事終了できるか否かもそうですし、引き続きその会社で長きに渡って働くためには、「 ベトナム人スタッフと上手くやっていけるか 」の重要性も認識しておかねばなりません。端から見て、上手くコミュニケーションが取れていない、ベトナム人スタッフから評判が悪い、となってしまうと、上司のあなたに対する評価にも影響してきます。
仕事上だけでなく、社内イベントに積極的に参加したり、ランチの時間を共にしたり、仕事以外の話を気軽にできるような関係性を構築していきましょう。
以上、ベトナムの会社に入社してから留意すべき事項について紹介しました。せっかく掴んだベトナム就職の機会です。試用期間に備え、自身で組織図を作って周りとの関係性を把握したり、日本人としてのミッションを認識することで、会社に必要とされる存在になることができます。また、それにより自分の能力を最大限に発揮し、自分にとっても会社にとっても、入社後の良いスタートが切れるはずです。
|_2. <執筆協力>|
||*JellyfishHR Co.,Ltd*
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ 」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、SNSを活用した無料求人サイト「Billion」の運営、また日本語教育サービスを提供している。
ホームページURL → http://jellyfishhr.jp/
ベトジョーライフでコラム連載中 → 「Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~」