基本的に飛び込みOK
ベトナムの歯科医院は、基本的に初診の段階で予約は必要ありません。その後継続治療する場合は次回の予約を入れることになりますが、基本的には都合のよいときに出向けば、治療を受けることができますし、日本ほど混み合っておらず、待たされることもあまりないと思います。また、治療期間も短くすみます。
多くの歯科医院が日曜日も開業していたり、夜8時ぐらいまで治療していたりするので、仕事や学校を休まずに通えるという利点があります。
ほとんどが明朗会計
近代的な歯科医院の多くは料金表を用意しているので、あらかじめどの程度支払わねばならないのか知ることができます。基本的に治療をしたらいくらかかるか、診断というか、見積もりをしてもらうだけであれば、殆ど費用はかかりません。以前、夫が虫歯の治療をしようとローカル歯科医院へ行き、レントゲン写真を撮って、どういう治療が必要か説明を受けたのですが、結局抜くのが怖くて治療をやめてしまったことがありました。そのとき支払ったのはレントゲン写真代と診断代として5万VND(約250円)だけでした。
(C) VIETJO Life
以下は、今回治療でお世話になったホーチミン市1区チャンフンダオ通りにある ピースデンティストリー(Peace Dentistry) の主な料金です(2016年5月時点)。大よその目安にしてください。
◇レントゲン写真: 2万VND/1枚
◇レントゲン写真に基づく診断及び治療方針決定:5万VND/1枚
◇パノラマレントゲン写真:10万VND(約480円)
◇コーンビームCT:30万VND(約1450円)/両顎
◇乳歯抜歯(ぐらついている場合):5万VND(約240円)/1本
◇乳歯抜歯(根がしっかりしている場合):15万VND(約725円)/1本
◇その他抜歯:5万~80万VND(約240~3860円)/1本
◇歯石取り:25万~35万VND(約1210~1690円)/両顎
◇歯肉炎治療:50万~250万VND(約2400~1万2100円)/全口腔
◇補綴(詰めもの・かぶせ):25万~50万VND(約1210~2420円)/1本
◇神経治療:8万~50万VND(約390~2420円)/1本
◇ホワイトニング:120万~250万VND(約5800~1万2100円)/1回
◇差し歯:50万~500万VND(約2420~2万4200円)/1本
◇部分入れ歯:25万~250万VND(約1210~1万2100円)/1本
◇総入れ歯:800万~2100万(約3万9000~10万1000円)/1セット
◇歯列矯正:500万VND(約2万4200円)~
治療体験記
先日、筆者の息子が乳歯を抜いたので、その模様を参考までに紹介します。奥歯の永久歯が生えてきたのに、前歯はまだ一本も抜けない息子。おかしいなと思って口の中をチェックしてみたら、がっちりと生えた下前歯の後ろ側から永久歯が生えかかっていることがわかりました。乳歯は永久歯が下から生えてくることで根がとけていくのですが、生える位置がずれていると乳歯の根が溶けず、二重に歯が生えてしまい、今後乳歯が自然に抜けたとしても歯並びが悪くなってしまうため、早い段階で乳歯を抜く必要があります。
(C) VIETJO Life
幾つか市内の大きな歯科医院をウエブサイトでチェックし、ウェブサイトに書いてある施設や料金を比較。行きやすい場所で料金も手ごろかつ最新の設備がそろっていそう、という判断のもと、ホーチミン市1区チャンフンダオ通りにあるピースデンティストリー(Peace Dentistry) を選びました。ローカルの中でも高級クリニックの部類に入ります。たまたま選んだだけなので、もっといいところもあるかと思います。
(C) VIETJO Life
まず、受付で問診表に名前や年齢など簡単な情報を書き込みます。文書には英語が併記されており、スタッフは英語が話せます。ロビーや内装は新しく、日本にある歯科医院と比べても遜色がありません。
料金は、乳歯の前歯を抜く場合は1本15万VND(約720円)と事前に説明があり、それ以外の料金は一切かかりませんでした。最初にベテランらしい男性歯科医の問診を受けて、治療方法(「抜歯するだけで、とても簡単だし痛くないようにする」)の説明を受けたあと、別の若い女性歯科医の治療を受けました。乳歯の後ろから明らかに永久歯が生えてきていたので、レントゲン撮影はナシ。日本だと、念のために永久歯欠損がないかどうか、他に虫歯がないかどうかなど全体的にチェックしてくれますが、ベトナムの歯科医院は基本的に こちらから伝えた問題点以外は確認してくれません。 他の治療をするように売り込むということもあまりないようです。気になる点があれば自分から伝える必要があります。
(C) VIETJO Life
治療室は広い個室で、壁に絵が書いてあったりしてとてもおしゃれ。日本のうちの近所の歯医者さんよりよっぽど立派です。日本だと先生が複数の患者さんを掛け持ち治療していてせわしないですが、ここでは先生がずっとついてくれました。他に患者さんがいなかったこともあり、歯科助手が3人もいました。
息子は「こわい~」と言っていましたが、先生は慣れたもので、「痛くなくなるあま~いジャムを歯にに塗ろうね。おいしいからちょっと舐めてみてごらん」と舐めさせて安心させてから、歯茎に麻酔ジェルを塗り、効いたところで麻酔薬を注射。息子は不安から変な声を出し続けてはいましたが、痛がってはいませんでした。麻酔が効いたところで大きなペンチの登場。息子が「これ口に入れたら痛いよ!こわい~」と言うと、「全然痛くないよ。さきっぽも尖がっていないし。触ってごらん」と、ペンチを息子に持たせて安心させてくれました。何をするにもたくさん褒めてくれて、若い先生ですが子供の扱いがとても上手です。
(C) VIETJO Life
歯を抜いている間、息子はへんなうなり声を上げてはいましたが、後で聞いたらまったく痛くなかったようです。先生が相当な力を入れているようだったので、見ているほうが痛かった・・・。先生からは麻酔が効いているので、唇などを噛まないように気をつけてあげてください、と言われて治療終了です。
(C) VIETJO Life
20分間ガーゼを噛んだあとの状態。根がまったく溶けていなかったので大きな穴があきましたが、息子はまったく痛くないと上機嫌。
(C) VIETJO Life
治療後に、抜歯後の家庭での注意について、ベトナム語と英語で書かれたチラシをくれました。会計は最初に言われた30万VND(約1500円)のみ。処方箋を出してくれたので、近所の薬局で痛み止めと化膿止めを2日分購入。18000VND(約87円)。息子はうまく飲み込めず、結局飲まずに終わったのですが、痛むこともなく翌朝には穴がふさがっていました。若いってすごいですね・・・。
と、以上が我が家のローカル歯科医院体験記でした。価格の高さで治療をためらってしまい、我慢して悪化させては良くありません。簡単な治療から一度ローカルで試してみて、クリニックの腕を判断するのもありかなと思います。
やっぱり日本語が通じるところが安心という場合
やはり、ローカル歯科医院で治療する場合は、少なくとも英語ができなければ、意思の疎通はなかなかできません。複雑な治療となるときちんとお互いの意思の疎通ができないと治療は進まないでしょう。ローカルだと衛生面が心配という人もいると思います。以下に日本人歯科医がいる歯科クリニックを挙げておきますので、参考にしてください。
+ スマイルデンタル (日系、ホーチミン市7区)
+ ウエストコースト インターナショナル デンタル クリニック (ホーチミン市1区)
+ なごみデンタルクリニック (日系、ハノイ市カウザイ区)
+ さくらクリニック (日系、ハノイ市タイホー区)
<関連記事>
ベトナムで薬を買うには ~風邪引いた、と思ったら~