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ホーチミン市歴史博物館~博物館に行ってみよう(1)~

// JST配信
ホーチミン市には、 ホーチミン市博物館(1区)ホーチミン市美術博物館(1区)戦争証跡博物館(3区)南部女性博物館(3区)ホー・チ・ミン博物館(4区)アオザイ博物館(9区) など、いくつもの博物館が存在します。ホーチミン市はこれまでに様々な歴史をくぐり抜けてきただけあって、博物館の展示物も充実しており、ベトナムやホーチミン市のことを知りたい人にはとっておきの場所です。

今回は、ベトナムの考古や歴史、民族、民俗など、様々な時代の展示物を公開している ホーチミン市ベトナム歴史博物館(Bảo tàng Lịch sử Việt Nam thành phố Hồ Chí Minh) を紹介します。


(C) VIETJO Life, サイゴン動植物園側から見た歴史博物館
 

サイゴン動植物園に隣接するフランス植民地時代の建物


歴史博物館はホーチミン市1区グエンビンキエム通り2番地(2 Nguyễn Bỉnh Khiêm St., Dist.1)にあります。この場所はレズアン( Lê Duẩn)通りの最東端にあたり、ベトナム最古の動植物園 サイゴン動植物園(Thảo Cầm Viên Sài Gòn) に隣接しています。

(C) T. Kondo,サイゴン動植物園の入り口

歴史博物館の建物は、フランス人建築家オーギュスト・デルヴァル(Auguste Deleval)の設計で、1926年から1928年にかけて建てられたもの。東洋風のデザインで、当初はフランス極東学院(EFEO)管轄下の「東洋研究会博物館」という名称でした。EFEOは、植民地時代に設立され、ベトナムの歴史学や考古学の調査・研究の基礎を築いた公共研究機関です。

その後、国家の移り変わりと共に名称がたびたび変わり、1979年8月23日に現在の名称となりました。現在は、 国家級遺跡に指定 されており、建物自体が見所となっています。
 

外国人料金あり、撮影は有料


歴史博物館の入り口は、サイゴン動植物園側とグエンビンキエム通り側の2か所あります。


(C) T. Kondo,グエンビンキエム通り側の入り口

グエンビンキエム通り側から入ると、すぐ右手にチケット販売所があります。


(C) T. Kondo, グエンビンキエム通り側のチケット販売所

入場料は、 ベトナム人が2000VND(約10円)、外国人が1万5000VND(約75円) です。パスポートをチェックされることはなく、見た目でベトナム人か外国人かを判断しているようです。日本人には、日本語のパンフレットが配られます。

館内で写真などを撮影する場合は、別途4万VND(約200円)を支払い、カメラに撮影許可証を付けてもらいます。 撮影許可証のないカメラで撮影していると警備員に注意されますので、写真を撮る際には撮影許可証がきちんと周りから見えるようにしておきましょう。入館チケットも、館内で提示を求められることがありますので、捨てずに持ち歩いてください。

サイゴン動植物園側の入り口は、動植物園の緑の門をくぐってすぐ左手にあります。動植物園の門は出入り自由ですので、もちろん歴史博物館だけを訪れることもできます。その際は、歴史博物館の正面入り口でチケットを購入します。


動植物園に入りたい場合は、門から入ってすぐ右手のチケット販売所でチケットを購入し、門の先にあるゲートで係員に提示します。料金は大人(身長130cm以上)が5万VND(約250円)、 子供(身長130cm未満)が3万VND(約150円)です。こちらはベトナム人・外国人とも同一料金です。
 


歴史博物館の中に入ってみよう



(C) T. Kondo

グエンビンキエム通り側から入ると、まずは中庭があります。ここには池があって風通しも良く、気持ちの良い空間です。ベンチもあるので、ちょっと休憩をするのにもいいでしょう。

中庭には、お土産もの屋さんもあります。ただし、博物館オリジナルグッズなどは特になく、あちこちの観光地で売られているのと同じ、一般的なベトナム土産です。

中庭からいよいよ展示室に入って行ります。中庭からすぐのスペースは、企画展示室で、定期的に展示テーマが変わります。2016年3月時点では、東洋の茶文化に関する展示が行われていました(2016年5月末まで)。

企画展示室を抜けると、円形の部屋に出ます。サイゴン動植物園側の入り口も、この部屋に繋がっています。ここには、見上げるほど大きな故ホー・チ・ミン主席の胸像が立っており、高い天井から明るい光が差し込んで、建物の歴史を感じさせる空間です。この展示室も、定期的に展示テーマが変わります。


(C) T. Kondo, 故ホー・チ・ミン主席像

ここを起点として、左右に広がる20室近い展示室を見ていくことになります。館内には、企画展示室が2室と常設展示室が16室、野外展示場(18~19世紀のカノン砲)が1か所あり、 先史時代から王朝時代、現代に至るまで幅広い年代を取り扱っており、また少数民族に関する展示も充実しています。

常設展示室の中でも、ミイラが展示された部屋と、中南部のチャンパ(2世紀から15世紀後半ごろまでベトナム中南部の沿岸地方に存在したベトナムの王国)時代の部屋、メコンデルタ地方のオケオ(2世紀から7世紀ごろまでメコンデルタ地方で栄えた扶南の都)時代の部屋は数年前に改装されたばかりで、他の展示室に比べてかなり盛りだくさんの内容となっています。
 

歴史博物館の収蔵品数


1975~2015年に博物館が収蔵した点数は、考古学の発掘調査で出土した遺物が2860点、寄贈が5580点、移管が1万2642点、購入が6436点で、 合計2万7518点 に上ります。1990年代後半は出土遺物と移管が多かったのに対し、ここ10年ほどは寄贈と購入が急増したようです。
 

水上人形劇も鑑賞できる



(C) T. Kondo

歴史博物館の目玉の一つに、水上人形劇があります。水上人形劇はベトナム北部が有名ですが、ホーチミン市でもここ歴史博物館と、グエンティミンカイ(Nguyễn Thị Minh Khai)通りにある統一会堂横の ゴールデンドラゴン水上人形劇場 で鑑賞することができます。


(C) T. Kondo, 水上人形劇の舞台

水上人形劇のチケットは、歴史博物館の入り口ではなく、館内にある水上人形劇シアター入り口で購入します。ただし、観客数が少ないと上演されませんので、せっかく行ったのに観られなかった!なんてことも。筆者が行った時も、観客が最低催行人数15人に満たず、上演されませんでした。


(C) T. Kondo, 水上人形劇の人形
 

開館日と開館時間、昼休みに注意


歴史博物館は 月曜日が休館 で、祝祭日関係なく火曜日から日曜日の開館となっています。開館時間は午前が8時から11時、午後が13時30分から16時30分まで。昼休みがありますのでご注意を。


(C) T. Kondo

歴史博物館は、幅広い数々の展示物ももちろんですが、フランス植民地時代に建てられた建物自体も魅力的。クリームイエローの外観は、主張し過ぎることなく存在感を醸し出しています。ベトナムの博物館というと戦争に関する展示のイメージが強いかもしれませんが、戦争とは違った視点でベトナムの長い歴史を感じることができるスポットとしておススメです。

>>位置情報など詳細はこちらからから → ホーチミン市歴史博物館

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