「日本に住民票があるから在留届は必要ない」は誤り
よく、「日本に住民票を残してあるので在留届を出す必要がない」または「出せない」と思っている人がいますが、在留届と住民票は全く別物です。日本に住民票があっても居所を定めて3か月以上海外に滞在する場合には、在留届の提出が義務付けられています。
在留届はどこへ提出すればいいの?
ベトナムに住んでいる方は、在ベトナム日本国大使館 か 在ホーチミン日本国総領事館 に提出します。ベトナムの住まいがザーライ省・ビンディン省より北にある場合はハノイ市にある大使館、ダクラク省・フーイエン省より南の場合はホーチミン市にある総領事館が提出先となります。
とはいえ、大使館や総領事館まで出向かなくても、外務省のウェブサイト「在留届電子届出システム(ORRnet) 」にアクセスして在留届を提出することができます。住所の変更や帰国届もこのウェブ上でできるので手軽です。
また、大使館・領事館に持参して届け出ることもできます。届出用紙は大使館・領事館に備えつけられていますし、あらかじめ大使館・領事館のホームページからダウンロードしたものを印刷して使用することもできます。郵送やファックスで届け出ることもできます。但し、これらの方法で届け出る場合、変更届や帰国届をウェブ上で行うことはできません。
在留届には、氏名、本籍、海外での住所、留守宅などの連絡先、パスポート番号、同居家族(配偶者、子ども)などを記入します。日本国籍を持っていない同居家族も登録可能です。滞在中に子供が生まれたら、出生届を提出した後、在留届に追記します。
なぜ、在留届を出しておいたほうがよいの?
ベトナムは比較的治安が良く、災害の心配もそれほど大きくはありません。でも、万が一テロや大災害など緊急事態が発生したら・・・。例えベトナム語が堪能だとしても、外国人が異国の地で状況を判断し適切な行動を取るのは難しいと言えるでしょう。在留届を提出していれば、危険が迫っている時に緊急連絡がきたり、災害時の安否確認や捜索活動、日本の家族への連絡といったことを迅速に行ってもらえる可能性が格段に高まります。連絡をできるだけ確実に受けられるよう、住所やメールアドレスなどに変更があったときには、必ず変更届を提出しておきましょう。
また、在外選挙で投票するためには、日本で転出届を出して(住民票を抜いて)、海外に3か月以上継続して居住していることが条件になっています。海外に3か月以上滞在する場合には在留届の提出が義務付けられていますので、当然在留届が提出されている必要があります。
3か月未満の滞在だと在留届を出せないの?
3か月未満の滞在(予定)の場合だと、在留届を出すことはできませんが、外務省のウェブサイト「たびレジ 」から自分の渡航情報を登録することができます。
ここに登録しておくことで、渡航先の在外公館の連絡先や渡航情報などが見られるほか、緊急連絡を受けることができます。出発前に登録することもできますし、海外に出てから登録することも可能です。
帰国届・転出届は必ず提出しよう
帰国や転勤が決まるととたんに慌しくなり、帰国届や転出届を提出することなんかすっかり忘れてしまいがち。でも、帰国届・転出届を提出しないと登録情報は消えませんので、実際にはもう住んでいないのに、その国の在留邦人数の中にカウントされてしまったり、緊急事態が発生した時、大使館や総領事館の人たちがいない人の安否確認に奔走するような事態を引き起こす可能性もあります。ベトナムから離れてしまった後でも帰国届・転出届を提出することができますので、必ず出しましょう。
「在留届電子届出システム(ORRnet) 」から登録した人は同サイトから帰国届けの提出ができますが、大使館や総領事館で手続きした人は郵送やFAXで行う必要があります。