[越] Đậu rồng(ダウゾン/ダウロン)、Đậu khế(ダウケー)
[英] Winged bean
[学] Psophocarpus tetragonolobus(マメ科)
[原産] 熱帯アジア|
ベトナムでは「ドラゴン豆」
このシカクマメ、最近沖縄の特産品として日本でも「うずりん豆」などの商標で流通するようになっているようですが、元々は熱帯アジア原産の植物。ベトナムをはじめとする東南アジアやインド、パプアニューギニアなどの熱帯地域で栽培されています。
断面が四角であることから、日本では「シカクマメ」と呼ばれていますが、それぞれの角ばった部分にヒダがついていて、それが羽のように見えることから、英語では「Winged bean(羽のついた豆)」と呼ばれています。
ベトナムでは鱗のように見えるヒダと細長い形状から 「Đậu rồng(ダウゾン/ダウロン、Đậu=豆、rồng=竜)」 、つまり ドラゴン豆 と呼ばれています。また、別名「Đậu khế(ダウケー)」とも言われているのですが、「khế」はスターフルーツのこと。輪切りにした形が星型っぽくなるところがスターフルーツに似ていることからこう呼ばれているようです。
シカクマメは主にベトナム南部で栽培されています。通常の品種は雨季(5月~10月)に発育が良いようですが、通年収穫できる品種もあるため、年中出回っています。
豊富なカロチンでガン予防に
シカクマメは、他の豆類と同様にタンパク質を豊富に含んでいると同時に、カロテン(カロチン)が多く含まれています。カロテンには 抗酸化作用 があり、 ガンの予防に効果的 といわれています。シカクマメにはビタミンCも含まれており、これがカロテンの酸化を抑える役割があるそうです。 美容効果(アンチエイジング) にもおススメです。
また、カルシウムを骨に定着させる働きや血液を凝固させる成分の合成に関わっているビタミンKを含んでいるので、育ち盛りの子供に食べさせたい食材の一つです。
ベトナムでシカクマメは 「体の熱を逃がす」 食材とされており、暑い季節によく食べます。成熟した豆は、胃痛に効く漢方薬になっているそうです。
炒めても、茹でても、生でもおいしい
シカクマメは見た目に似合わずあまりクセがなく、味はサヤインゲンに似ていて、新鮮なものは生で食べてもおいしいです。
(C) VIETJO Life
ベトナムでは一般的に、牛肉や豚肉の細切れと一緒に炒めて食べることが多いです。シャキシャキとした歯ごたえが心地よいです。日本食で使うには、サヤインゲンのように2~3分茹でて和え物にしたり、1~2分下茹でしてから天ぷらにするのもおいしいです。栄養素が流れ出ないよう切る前に茹で、鮮やかな緑を保つため茹で上がったら冷水にさらして色止めします。
選び方と保管方法
美しいつやのある緑色のもので、ヒダの端がなるべく黒く変色していないものを選びます。持ったときにふにゃっとしなってしまうようなものは鮮度が落ちていますので、しっかり硬いものを選びましょう。
冷蔵庫での保管は2~3日が限度ですが、新聞紙にくるみ涼しい場所で保管すると1週間ほど日持ちます。また、1~2分ほど下茹でして適当な大きさに切り、冷凍保存すると便利。凍ったまま炒め物などに使えます。
|【ポイント】抗酸化作用でガン予防や美容に効果的で、暑いときに体の熱を逃がしてくれます。冷蔵庫ではなく常温で保管したほうが長持ちします。|