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[特集]

泥棒を200回捕まえた男、改造バイクは時速170km

2006/08/28 07:16 JST更新

 ホーチミン市の路上で、けたたましいクラクションを鳴らしながら爆走するバイクを見かけたら、それは「泥棒を200回捕まえた男」ことグエン・ヴァン・ミン・ティエンさんかもしれない。ティエンさんは電気製品やバイクの修理をして妻子を養うごく普通の32歳。しかし毎日仕事の合間を縫っては泥棒退治に出かけ、これまでになんと200件以上の泥棒やスリ逮捕に貢献しているのだ。その功績は広く評価され、彼の家には数々の表彰状が飾られている。  彼が最初に泥棒を捕まえたのは1997年、妻と出かける途中のことだった。近くで「泥棒!泥棒!」という叫び声を聞いたティエンさんは、とっさにバイクで泥棒を追跡。数キロ先で追いついた彼は、格闘の末見事泥棒を警察に突き出したのだ。その時賞品としてもらったのが100万ドン(約7200円)相当の自転車1台。しかし妻が買い物に出かけたある日、目を離した隙にその自転車が盗まれてしまった。この出来事をきっかけに、ティエンさんは「泥棒を野放しにしてはいけない」と強く心に誓い、以来毎日1、2時間巡回しては泥棒を捕まえる、という日々を送っている。  道が混んでいても標的をスムーズに追跡できるようにと、ティエンさんは自分のバイクを時速170キロまで出るように改造し、自動車用のクラクションをバイクに取り付けた。さらに彼は独自のブラックリストを作成し、巡回中に発見した疑わしいバイクの番号や人物の特徴を書き留めている。またデジタルカメラも購入し、証拠をつかむことも忘れない。これが彼の「検挙率」の高さの秘訣なのだろう。  しかし泥棒退治には当然危険が付きまとう。悪名高い泥棒を捕まえた時は、その一味から脅されたこともあった。「怖くはありませんよ」と言うティエンさんだが、自分の身に何かあった時のため、妻や子供が拝めるようにと遺影用の写真を用意している。また「ガソリン代分を稼いだら見回りに行きます」と言うティエンさんの家庭は決して裕福とはいえない。それでも彼は、固い信念を胸に、今日も泥棒退治に出かけて行く。 

[2006年8月19日 Tuoi Tre紙 電子版]
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