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[特集]

DNA鑑定所:悲喜こもごもの人間模様

2006/05/24 07:17 JST更新

 2005年に開設されて以来800人以上の依頼者が訪れているハノイの遺伝技術・DNA鑑定センター。結果を手に安堵のため息をもらす人、泣き崩れる人・・・ここでは毎日様々な人間模様が繰り広げられている。  結果を手に、呆然と立ち尽くす一人の男性。彼は、子供が自分の子ではないことを知っていて、過去に一度自殺しようとしたことがあった。しかし妻を愛していたため死にきれず、もしかしたら、とわずかな希望を胸に鑑定を受けたのだが、結果はその希望を打ち砕くものだった。あらためて事実をつきつけられた男性は、離婚を決意してセンターを後にした。  ある男性は、妻が産んだ子供が自分や親族の誰にも似ていない、と鑑定を受けた。その結果、その子供は確かに夫の子であるという結果が出たにも関わらず、疑いを拭いきれない夫は、家族の制止を振り切り、再鑑定を願い出た。すると、男性の母親が息子にこう言った。「あの子が家族の誰にも似ていないのは・・・母さんの昔の恋人に似ているからよ!あんたは父さんの子じゃないの。母さんと恋人の間にできた子なのよ!」。  センターにやってくる依頼者の理由は様々だが、同センターのガー所長によると、10人中8人はだいたい誤った疑念を抱いているものだと言う。「最近父親が自分の子供のへその緒をこっそり持ち出し、耳が自分と似ていないとか、そんな些細な理由で妻を疑い、鑑定しに来る男性がとても多いのです」。  鑑定の結果、自分の子供に間違いないと判明しても、夫が妻に対してつまらぬ疑いを抱いたために家庭崩壊に至るケースも少なくない、と所長は語った。 

[2006年5月21日 Cong An Nhan Dan紙 電子版]
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