資源環境省環境局によると、メコンデルタ地方の河川で水質汚染が進んでおり、大腸菌濃度は許容濃度の2~5倍、水質指標であるBOD(生物化学的酸素要求量)とCOD(化学的酸素要求量)は許容濃度の1~3倍程になっているという。
汚染原因の一つとして、同地方の稲の作付面積が1995年の320万ヘクタールから2008年には390万ヘクタールに増加したのに伴い、化学肥料の使用量も増加したことが挙げられる。毎年130万トンから170万トンの化学肥料が使用されている計算になるが、実際には必要以上の化学肥料が使われており、浪費とともに環境にも悪影響を及ぼしている。
ベトナムナマズの養殖池の面積増加も、環境悪化を招いた原因の一つに挙げられる。1995年には20万ヘクタールだったが現在は70万ヘクタールに拡大している。しかし養殖によって生じる汚泥などの廃棄物は効果的に処理されないまま排出されているのが現状だという。